相続でもめないために「相続対策」以外にできること
2012年9月28日byShigeru Miki
分かりにくいタイトルですが、相続でもめないために、遺言や生前贈与などを活用した技術的ないわゆる「相続対策」以外にもできることがあるのでは、ということです。
まず、最初に述べておきますが、決して遺言や生前贈与などを行うことを否定しているわけではありません。
むしろ、私は子どもがいない夫婦の場合などについては遺言を行うべきだと思いますし、トラブルや相続人の負担が予想される場合には何らかの方策を採るべきだと思っています。
「相続対策」以外に何ができるのか
前置きが長くなりましたが、相続でもめないために、「相続対策」以外にできることって何でしょうか。
私は、とても身近なところにあると思っています。
相続がもめる原因は様々ですが、その根底にあるのは人と人とのつながりだと思います。
親族同士が不仲であるために冷静な話し合いができずに遺産分割協議がまとまらない、遺産分割協議がまとまる直前に些細なことがきっかけで頓挫してしまうということも考えることができます。
また、遺言が原因で相続人同士が不仲になることも考えられます。(そうなることが予想されるうえで遺言を作成する場合は話が別ですが。)
いずれの場合においても、普段から親族間でコミュニケーションを図り、お互いに置かれている立場や状況を理解することによって、回避できることがあるかもしれません。
また、相続財産の一覧表を作成しておくだけでも相続人の負担を軽くすることができるでしょう。
そうすることで、相続財産がどこにどれだけあるのかを相続人がすぐに把握することができます。
人と人とのつがりを軽視した技術的な「相続対策」を行うことは、相続でもめないことを目的にする場合においては、かえって逆効果になるかもしれません。
案外、お正月やお盆に親族が集まって賑やかにすることや、遺される人たちへのちょっとした心配りが、思わぬ効果を発揮しているのかもしれませんね。